ノーギャラで仕事を受けたら、次もノーギャラになるのは当たり前
独立して間もないころは、
とにかく「場数」をこなしたかったぼくです。
「人前で見てもらえれば、きっと次につながっていく」
一生懸命演じていれば、経験は次につながる・・・はず。
そう信じていた甘々の頃のお話です。
ノーギャラで受けた仕事は連鎖します
「うちでやっていいですよ」
「お客さん多いから、きっと宣伝になると思いますよ」
ある人気ショッピングモールのイベントスペース。
お話をいただき、出演しました。
その時は30分公演を1日2ステージ。
当時は「和太鼓奏者」としてやっていく気満々でしたので
太鼓演奏メインのプログラムでした。
おかげさまでお客さんからは好評。
モールの支配人さんからも
「お客さん、よろこんでましたね」
「ぜひ、またお願いします」
でもぼくは、以後ここのステージには立ちませんでした。
なんで?
ノーギャラだったから。
ノーギャラで仕事をすると
次もノーギャラにしかならないからです。
ノーギャラの連鎖です。
ちょっとでも、いい方向につながると思っていた
ぼくが甘かった。
支配人さんにしてみれば
「ノーギャラでいいと言ってる人がいる」
「しかも、そこそこのものをやってくれる」
「それで、買い物に来たお客さんが喜んでくれる」
これはもう、バンバンザイですよね。
一度ノーギャラで受けた仕事、
評判が良かったからといって、
次は「ギャラ払います」という話にはならない。
そういうことです。
ひょっとしたら、
ステップアップになるような話もあるのかも知れませんが。
そんなに甘いものじゃないなあ。
そう気付かされた経験です。
なんとなくでも「利用されている」ことを
瞬時に察知してしまうアンテナはこの頃に養われました。
ほかにも似たような話、
いくつも持ち込まれました。
「次につながるよ」
「宣伝になるよ」
「たくさんお客さん来るよ」
たしかに、
「楽しんでもらう」ことはできるし、
「自分の経験値アップ」にはなります。
できますけどね。
でも。
アマチュアじゃないですから。
ぼくの目的がどこにあるか、を考えたら
やる必要もないし
やるべきではない、と思ったわけです。
でも、経験値を上げたい人はどんどんやればいいと思いますよ。
路上から生まれるサクセスストーリーもありますから。